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2012-05-16

残された私のこれからの時間を生きる

大崩山(おおくえやま)の新緑

この数年で、まるで私の一日の時間の使い方は変わったように思う。そしてこの4月からは、週3日のお休みがあるので、いよいよこれから自分のやりたいことに向かって進み始めたところ、極めて充実した時間があっという間に過ぎてゆくというかんじである。



何よりも一番の変化は、外でお酒をのまなくなったということ(飲む時間も、お金もなくなったということ)です。ハッキリ言えば、そんなことをしている時間が惜しいくらいに、私の頭は勉強したりしていることの方が、楽しいということに、気づきはじめました。



もうそんなことをしている時間は私には残されていないし、いまわれわれが生活している社会というものは、便利ではあるけれども、いつ何が起きても不思議ではないくらいの、極めて不安定な時代に入っているという自覚が、私の中にはあるのです。



再三、私はお金では買えない世界の、見えない世界に心を写し、貧しき仲にも豊かなライフスタイルを築いてきた、祖先の残してきた、芸術や文化に最近はとみに惹かれている自分を感じています。だからこそ、還暦を境に心機一転日高事務所を立ち上げ、あえて未知なる、経済的には難しい世界に足を踏み出したいという思いなのです。



5年後では遅い、悔いが残るという気がしたのです。思いついた時に決断しなければ出来ないのです。岡山へ移住するときも、英国留学を決めたときも、富良野塾に参加するときも、文学座を受けたときも、やらなかったら、悔いが残るという、あえてその当時としては、難しい決断を私はこれまでのン人生でしてきました。



そのことを、今振り返り思います。人生はたった一回限りのことなのであるということを、私は演劇を学ぶことで教えられました。現実を生きる中で、可能な限り意識的に生きることを。



二十歳ころ、チャップリンの自伝を読みました。私にとっての人生の一冊。人生で大切な三つのこと、それは、勇気と友達(妻も含む)と少々のお金、とありました。そのことを私はいまも、胸に刻んでいました。勇気を持って飛び込むというのは、なかなかに難しいことではあります。



しかし、私はお金では買えない世界の豊かさに、支えられて生きてきた人間です。だから日高事務所を創り、ご縁のある方と苦しくとも、豊かで楽しい、つまりは愉快な晩年ライフを、生きたいのです。

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