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2014-06-23

私の一回こっきりの人生を、親友K氏は限りなく楽しくしてくれる。

親友のK氏から、メールが届いた。時間があれば、夏18切符で上京しないかというお誘いである。前回、私は11時間かけて、西大寺から品川までを在来線を乗り継いで、初めて上京した。

いろんな思いが、こめられた私なりの旅の仕方なのだが、若かりし頃、ヨーロッパ14カ国を3カ月乗り放題チケットで旅したり、シベリア鉄道で日本に帰ってきたりと、私はとにかく鉄道の旅が好きなのである。アフリカでも一泊二日、タンザニアのモンバサから、ケニアのナイロビまでのんびり車窓からのサバンナの景色をたのしんだ。

ゆったりと日本列島を旅しながら、車窓から風景を眺めながらの、のんびり旅には新幹線はまったく味気なく、私のような時代についてゆく気もない輩には、時間があればあまり乗りたくはない、乗り物なのである。早いというだけで、おカネが高いのも腑に落ちない。

時間は同じなのに、速いというだけで高くなるのは、何やら錯覚にのせられている気がしてならないのだ。だって時間は売り買いするものではないという、認識が私にはある。

ところで何せ少年時代、SLを体感している世代なので、世界のあまり速くない旧式の列車が今も走っているような国に、限りなく私は惹かれる。(暴走暴力文明からは、限りなく遠くにいたい)

リニアモーターカーとかには、まったくもって関心がない、宇宙開発にもまったく関心がない、開発すれば限りなくお金がかかり、限りなく自然は壊され、人間の暮らしは非人間化し、多忙を極め、挙句、なにおかいわんや、という行く末がくっきりはっきりと私には見えるような気がする、のだ。

このようなことを書くと、何やら駄々をこねている、初老の爺さんの戯言ひがみのように受け取られるからあまり書きたくはないのだが、いたしかたない、自分の感覚には正直でありたいので。

前回の在来線乗り継ぎ上京の旅が予想よりも、あまりにも快適に楽しめたので、私はすっかり味をしめてしまったのである。体力的にどうかというかすかな不安もいくばくかはあったのだが、なんてことはなく、名古屋を過ぎると、俄然車窓からの眺めが一段と楽しめたのである。日本は美しい。

静岡、伊豆、湯河原、箱根、、、。気分はすっかり青春しちゃったのである。私は決めた、今後は体力の続く限り、時間の許す限り在来線の旅をすることに。

したがって、なんとか上京したいと考えているので、ブログで持っての返事をK氏にはこの場を借りてお伝えしたい。

人間、時折一人きりになる時間が、私の場合どうしても必要である。孤独を噛みしめることで、何気ない日常のこまごましたことが、新鮮に感じられるからだ。年に4回くらいの小さな旅があれば、私自身は、限りなくいい感じで暮らしてゆける。

齢62歳にして、ようやく、何事もゆっくりと進めてゆくことに、あらたなる喜びを感じ始めている。粋で洒落た友からのメールは、私の小さな人生を、限りなく豊かに彩ってくれる。時間をかけて友に会いにゆく楽しみ、これが私にとっての最高のぜいたく、と思える。

1 件のコメント:

  1. 青春18きっぷで、旅人に変身ですね。時期が合えば、横浜のジャック&ベティと言う映画館に足を運んでみてください。7月19日から月末まで、横濱キネマカーニバルをやるらしいです。ショートフィルムの作品が、たくさん上映されるみたい。お勧めは谷坪監督の「One Night」です。映画館のある黄金町には、魅力的な飲食店が多くありますよ~

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