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2013-05-13

オリエント美術館にエリックマリア氏のチェロの響きが満ちました


56日、511日と、連続して素晴らしいというしかない、音の世界に触れて私の精神と体は未だ、年齢を忘れて、いまだふわふわとした昂揚館に包まれている。

 

エリックマリアご夫妻と昨日の朝お別れしてから、丸一日が経ったがまだ落ち着いて、ブログを書く気が起きないというのが、正直な気持ちである。

 

21年間、ゼロから出発して、2030代のやりたくてもできなかった、東京時代につもりにつもった何かを、まるで吐きだすかのように中世夢が原という野外舞台で企画を続け、退職し、よもやまさかこんなにもはやく、このようなあらゆる意味で、これからの自分の人生の行く末を照らす音楽会が、実現するなんて未だ信じられないくらいでおります。

 

それほどに、エリックの奏でるチェロと一体化した響きは、余韻が私の身体に残っていて冷めやりません。オリエント美術館全体がチェロの音色に包まれ、おそらく来られた聴衆全員の心に一音一音がくっきりと届いたのではないでしょうか、至福のひとときとして。

 

ささやかな企画者として、心から企画してよかったとおもえる幸福感が、冷めやらないのです。見なれている一日の始まりの朝日に照らされる花々が、いつもより新鮮に感じられるます。

 

あらためてすぐれた芸術はすべてを洗い清め、生きていればこそ体感できる世界へと誘い、祝福してくれるのだということを、人生の再出発に際して、6日、11日と連続して認識しました。

 

太鼓が土取さんを選び、チェロがエリックを選んだのだということ、この二人に私の人生で出会えたこと、そして企画できたこと。現時点で企画者人生が終わってももう悔いはないという気さえします。

 

もう何も書く気がおきないのですが、エリックのチェロの響きは、私にバッハの、限りない豊饒な世界音を知らしめました。エリックによって初めてバッハが私の中に届いたのです。

 

おそらくこれから私は生きている間、バッハを聴くことになるだろうと思います。エリックの奏でるバッハは古典ではあるのですが、現代を生きる私に闇を照らす、希望と祝祭の響きとして彼方から響いてきました。演奏者がバッハに命を吹き込み、蘇らせるのをこの眼で聴きました。

 

 

妻丹精の多品種のバラ

1 件のコメント:

  1. 素晴らしいライブでした。
    楽器の中で一番好きなチェロの音色を間近で、
    一流奏者の息づかいと共に聴くことができ、感動しました。

    至福の時を企画、プレゼントして下さったことに感謝申し上げます。
    お疲れさまでした。



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