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2024-03-20

春分の日、マルセ太郎さんの娘、梨花さんを中世夢が原に案内する朝に想う。

 今日は寒の戻り、春分の日の朝であるが雨模様で風も強く温度も上がらない、山沿いでは雪も降るとの予報が出ている。予報が気になるのは、今日は故マルセ太郎のお嬢さん梨花さんと午前10時に新倉敷駅で待ち合わせ、中世夢が原にゆくからである。

雨は致し方なしとしても、雪だけは降らないでほしいというのが今の私の願いである。40代半ば中世夢が原の神楽民俗伝承館で、マルセ太郎さんの一人語りスクリーンのない映画館、泥の河を企画したことがある。

マルセ太郎さんは2001年1月22日に逝去され、あれから23年の歳月が流れたが、昨年11月【マルセを生きる】という本が上梓された。長くなるので簡潔に記す。梨花さんの父であるマルセ太郎という不世出の芸人の成し遂げた事実としての仕事と人生がつまった本である。縁あった方々が22年前に寄せた50名のかたの文章も入っている。(私の拙

妻が丹精込めた春の花
文も)

私が打たれ感動したのは、梨花さんの中に今も脈々と生きる亡き父の存在の大きさと、マルセ太郎という芸人がかっていたことを、今を生きる人たちに知ってほしいという念いの深さである。上梓されるまで22年の年月がかかったとはいえ、立派に梨花さんの情熱の炎が燃え続けた結果この本が私の手元にあるのである。

この本には私の知らないマルセさんがわんさかつまっている。私の一文ではこの本の魅力は到底五十鈴川だよりでは伝えられない。この本が上梓されたことで再び私はマルセさんと出会ったようにさえ感じている。この本の魅力を伝えるために私にできることは、ささやかに企画をすることだけである。企画することでより深くマルセさんの世界を追体験できるようにおもえるのだ。

理屈ではない。40才で企画者として再出発してから、今に至るも打たれ、感動する事を唯一の根拠として企画してきた自負がある。72才、夢見る頃は遥かにすぎたが、感動するバネがかろうじて残っているので、マルセを生きるという本のタイトルに倣って、ささやかであれ梨花さんをメインにして、何かを企画したいのである。

そのために春の嵐のようなお天気の春分の日なのであるが、中世夢が原を案内し、かってマルセさんが語った神楽民俗伝承館を案内し、可能なら父娘2代同じ場所での、もの語りが実現できたらと夢見る。ともあれマルセを生きる出版を祝う、今を生きる小さな企画をやりたい。

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