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2015-11-02

晩秋の一日、遊声塾のY氏の実家で、終日を過ごす。

起きたら雨で、晴耕雨読今日は家の中でのんびりと過ごせそうなので何やらちょっとうれしい。

昨日は遊声塾のY氏の高梁の実家である、築100年以上は建つであろう旧家にお邪魔して干し柿用の西条柿をたくさん収穫、いただいてきた。

朝一番、竹韻庵で50本マッハという種類の玉ねぎとブロッコリーを植え一仕事して、8時半に竹韻庵を出発、Y氏の家には9時半に着いた。

Y氏の家に行くのは3度目、初めて一人で家までたどり着くことができた。予定より早く着いたのが氏はいつも通りの泰然自若で温かく迎えてくださった。

メイン道路から急に細くなった山道をわずかに入っただけなのだが、そこは森閑とした山の中の斜面に、3段の石を築きご先祖が開いて作った見事な家が目に入る。

其の3段の傾斜地には、Y氏が退職後家の管理をしながら丹精している10数種類の秋冬野菜が見事に整然と植えられている。

縁側の庭先には松やモミジやナンテンや、ほかの広葉樹、家の裏や家と同じ面積地には、ゆずや柿が、かなりの敷地にバランスよく植えられていて、一言見事に手入れされている。

氏が子供のころから、このような柿の木の 曲がり具合だったという甘い小さな実をつける柿の木は、今年も鈴なりに実をつけていた。

着いてすぐその柿の実を、皮ごとかじって食べたのだが、ちぎってすぐ口に入れるとやはり子供時代にいざなわれる。こんな味の柿は売っていない。均一化されていない味。

今やY氏は単に塾生ではなく、ひとりの先輩の友人として大切な人になってしまった。久しぶりに訪ねたので、まずゆっくりと庭や畑地を眺めてから、氏と二人で西条柿を収穫した。

氏がハサミで高いところの柿を枝ごと切り落とし、私が下で拾って剪定しかごに入れた。熟柿も入れて120個くらい収穫した。

中高年二人の子供に還った柿の収穫はただ愉しかった。収穫作業が済み、いずれ竹韻庵でシイタケを育ててみたいと思っていると氏に話すと、ななんと氏は、敷地内のシイタケ用の樹木を伐りましょうというではないか。

氏はチェーンソー、二種類の鉈、ロープを用意、広い敷地の林の中に在るころ合いの樹にロープを巻き付け、倒す方向を定め、私はロープを引っ張る。
鈴なりの古い柿の木の残りはカラスが食べる

物の数分後、樹は目指す方向に見事に倒れた。あっという間に倒れた木から10数ほんの シイタケの原木が調達できた。

この原木を来年2月まで森の中に寝かせておいてから、シイタケの菌を打ち込むのだという。来年の2月がいまから楽しみになってきた。

そうこうするうちお昼タイムが近づき、氏が準備している間自然光の中で新聞を読んで待つ。

出来ましたーという氏の声。家の中に入ると暖かく、いい匂いが充満していて、私は言われるままにY氏が整えてくださったイノシシ鍋にかぶりついた。
実家の庭や畑の管理をするY氏の姿

一句【シシ鍋が・いにしみわたる友の味・去りゆく秋の・一期一会の】

氏の、みそ仕立てシシ鍋をいただくのは2回目、贅沢な昼食となり、肉、白菜、ネギ、ゴボウ、豆腐、糸こんにゃく、空腹には答えられない味が冷えた体に沁みいった。

いつもの倍くらいの量のごはんもいただいた。最後のクレソンのお漬物が絶品だった。

氏は準備、後片付けも含め実にまめに体が動く、そうでなければこれほどの広さの敷地の管理などできるわけがない。老いに向かってまさに自立している。こうでなくては。

久しぶり、満腹になるまで食べる。あっという間に睡魔がやってくる。氏は私を午睡の間に導く。約一時間熟睡する、午睡から覚めると午後の3時、音楽を聴きながらのコーヒータイムとしばしの雑談。

午後4時にもなると、氏の家の周りは晩秋の秋の夕暮れが都会より早くにやってくる。西条柿、甘い柿、2種類、初めて収穫した白菜までいただき、恐縮至極、 思わぬ愉快な一日を感謝した。

氏に見送られて旧家を後に、家路へのドライブ。帰宅したら妻が妻がたいそう悦び、すぐ柿をむいて口に入れた。


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