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2016-01-02

2016年元旦、家族4人で山田洋次監督の【母と暮らせば】を見る。

あけましておめでとうございます。

新しい年が始まりました。何はともあれ生きてこのように無事に戯言にも等しいよしなしブログを、囲炉裏通信も入れると、丸7年か8年も書き続けていられるということに感謝したい。

五十鈴川だよりにになってから すでに丸4年、だからちょっと歳月を感じる。きっと読よんでださっている方がいるから、たまたまこの世に在ることの不思議を寿ぐような感覚で、わがままブログが書き続けられている。

読んでくださっておられる方々と共に今年も揺れ、蛇行しながら五十鈴川だよりは、自己検証しながら、ゆるゆると平和裡に過ごせる穏やかさを基本に生きてゆきたいと考える。

松の内はとくに静かに生活したいとは思うのだが、6日からは遊声塾、7日からはカルチャーも始まるので、明日で私の中でのお正月は終わる。

時代の表層が変化してもやはりお正月は気分も新たになりいいものである。元旦の昨日は妻と母と娘の4人で近くの山に初日の出を見にゆきました。

上ってきたこの世を照らす太陽に、平常通り、こともなく家族が穏やかに生きていられることの感謝、いろんな思いを胸にただただ手を合わせました。

娘が写真を撮り、さっそくスコットランドを旅している娘と怜君に送りました。間接的にラインでつながって向こうからも娘たちがのゆく先々の写真が 送られてくるので、ともに新年を祝うことができるのは、まさに今の時代ならではである。

時代はまさに変化し続けますが、五十鈴川は可能なら、普遍的な大事を見失わないようにありたいとの願いを込めて今年も右往左往しながら流れる。

ところで、昨日午後4人で母もともに山田洋次監督の【母と暮らせば】を観にゆきました。落ち着いたフィルムの中に映画でしかできない表現の自在な嘘が、まさに嘘だからこそ真実の多様な声なき人々の、無念の死者たちの声が哀切に画面に満ちて迫ってきました。

家族4人、正月早々いいフィルムを観ました。4人全員いい映画を見たね、と語り合える幸せに浸りました。

82歳の母がほぼ山田監督と同世代、いい映画だったとしみじみ私に語り掛けました。娘も娘なりにいろいろと感じた様子で、親として共に観ることができ、ここをきちんと押さえていれば大丈夫の感を深めました。

ところで、敗戦時に生まれた吉永小百合さんが母親役を演じて素晴らしかった。70歳にしてのあの演技。キュウーポラのある町や数々の日活の彼女の青春映画を見て育った私は、やはりある種の感慨に打たれました。

私見ですが、きっと彼女の代表作として末永く遺る作品となるでしょう。ひたむきに生きるということが、いかに大切で尊いということか。

昭和から平成にかけて見事に大輪の花を女優として生きておられるその見事さに感じ入りました。生き方はすべて演技ににじみ出てくる、その証左が動きやしぐさに端的に示されていて見事でした。

それにしても、山田洋次監督はあの年齢で山田監督にしか撮れない作品を次々に創られる。あらためてその持続力に感服しました。

山田組、それぞれの俳優たちがこれまた 素晴らしい(余分な演技がない、人間がいるだけ)、二宮和也(娘が嵐の大ファン)さんの演技がこれまた、作り物でなくていいのだ。私もファンになりました。

書いていると見たばかりなので、あれやこれやの場面が脳裏で蘇る。この間も書いたが、いい映画は余計な説明がない、余韻が残る。

蛇足だが戦争は人間の心を悪魔に変える。このような映画人の心をきちんと受け止める感性を、戦後生まれの民主主義を生きてきたものとして、なくしてはならない。

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