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2023-12-17

年の瀬、森岡毅氏の【マーケティングとは組織革命である】を読み、そして想う。

 師走も半ばを過ぎちょっと寒い(これが当たり前)日曜日の朝だが、私は未だ我が部屋では暖房器具を使用していない。私ごときのせつぶんブログであれ、手をさすりながら打つくらいの方が老いの頭がつむぐ一文としてはいいのだという、痩せ我慢的な煩悩が働くのである。

ビジネス書の枠を越えている

世界の数多の、圧倒的大多数の人々が否応なく抱え込まざるを得ない困窮状態を、我が国の年末の喧騒をよそに静かに想像してしまう島国の一老人としては、ただ静かに年の瀬を生きている、私である。

ところで、レ・ミゼラブル第3巻はちょっと中断して(お正月集中して読むことにした、今年は夫婦二人のお正月だから時間がある)マーケティング介の勇者として、その名をとどろかせている森岡毅という方がかかれた本を読んだ。よもやまさかビジネス書を読もうとは思いもしなかった。お恥ずかしながら、片寄った好きな狭い世界の本を、それもわずかしか読んでこなかった私が、初めて読んだビジネス書が森岡毅さんの【マーケティングとは組織革命でである】。

業界用語や、今となっては老いた我が生活に関係のないところは、すっ飛ばして、今の私の生活にも刺激をいただけるようなところだけを、拾い読みしたのだが、このような若き侍のような、画期的とでも呼ぶ他はない、創造的なクリエイターが私の義理の息子たちくらいの世代から続々登場していることに、清々しい刺激を年寄りの私が受けたことを、なんとしても五十鈴川だよりに打っておきたいのである。

まず本の巻末の、4人の方との対談、セブンイレブンの創設者である鈴木敏文氏、作詞家の秋元康氏(他にもいろんなことをされている)湖池屋社長佐藤彰章氏、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏の4人の方との対談を読むだけでも価値があった。そして森岡さんのマーケターとしての誇りが満ちた本のあとがきに打たれた。素晴らしい。(古い思い込み世界に耽溺しがちな私は、目から鱗、大いに反省している)

時代の先端で颯爽と閉塞感をぶち破る発想力と行動力、知的胆力、戦闘力、総合的センスが、随所に溢れていて老人の私が読み物として読んでワクワクした。ワクワクしなくなったら終わりである。

森岡毅さん(と呼ばせていただく)のことを知ったのは、ラジオ深夜便の午前4時からの明日への言葉のコーナーで、たまたまお話を聞いたことによる。何に打たれたのかを説明できる言葉を五十鈴川だよりで打つのは難しいが、一言で言えばドリームオブパッションである。業績がが振るわず喘いでいたうUSJを7年賭けてVじ回復させた伝説的マーケターである。(その事をまったく私は知らなかった)

業績の振るわない組織を覚醒させ、夢を育める組織へと変革し、業績をあげるための方法論、森岡さんしかなし得ないオリジナル方法論が的確に示されていて、びっくりしたのである。

本当に物事を発想し、思考実践できる稀な人が、経済界(の枠を越える思想哲学がある、日々肉体労働している私でさえ学べるところがあるし、どうしてこのような方が生まれたのかにも関心がある)の今の日本にいることに安堵したのである。

このような新しい日本人の出現が、ややもすると時代の気分、空気に流されがちになる一老人の私に与えてくれ、にわかに単細胞の私としては明るい気持ちになれたのである。(おかげでよき師走時間を過ごしている)

長女にはこの本を是非読んでもらいたく、クリスマスプレゼントに送るつもりである。おこがましいが、私がこれまで企画してこれた原動力とも、分野は異なるが重なるところがあり、(一人でもやれるという)そうだそうだと老いの膝を打ったのである。例えば、組織を人体に例える。何一つ無駄がなく機能しないと体は、(組織は)幸福にならないという発想。

上下関係ではなく、対等関係、それぞれの得意な居場所で自分のスキルアップをはかり、連動し繋がり、生き生きと働ける組織を作る。凡人の私は深く感じ入った。新しい資本主義、民主主義、なんといっても根底に夢がある。

このような人の家族はきっと楽しさが溢れているに違いない、と私は想像する。我が家族もそうありたい。若い人から学ぶ勇気力を年寄りの私も持ちたい。ささやかであれ、からだの許す限り老いの持続力をキープし、微かにであれ成熟したい。ラジオ深夜便に耳を澄ませていたお陰で稀代のマーケター、森岡毅さん、ヴィクトル・ユゴーのレ・ミゼラブルと、間接的に出会え、2023年の年の瀬よきひとときが過ごせている。


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