ページ

2023-04-25

いまだ、天神9能楽堂ホールに立っている多嘉良カナさんの美しさが眼底に焼き付いている、あめの朝に想う。

 無事に多嘉良カナさんの、能楽堂ホールでの一部謡と二部舞の公演が終わった。実現することができたことに関して、容易な言葉では言い表せないほどの多幸感が私の体をいまだ包んでいる。余韻がさめないのである。これほどのアーティストを偶さかの出会いで、能楽堂ホールで企画できたことの幸運に私はいまだうち震える。

それにしても、私の少ない語彙ではあの素晴らしい、練りにねられた一昨日のあの多嘉良カナさんの舞台の素晴らしさは到底伝えることはできない。

私は企画を思い付いた出会いの幸運に感謝せずにはいられない。それにしても想像を越えてあまりあるほどの多嘉良カナさんの芸の力に心底私は脱帽してしまった。

純粋一途の芸の道を全身全霊、宿命を生きてこられた、これまでの歩みががすべてステージ上で進行するにつれて顕になり、私の胸を撃ったのである。

雨に輝く玄関の春のはな

改めてすごい方に出会ってしまったのだと、再認識している。唯一無二の沖縄が生んだアーティストに出逢え、非力を自認する私がよくもまあ企画できたものだ、といまだ夢心地なのである。

舞、緩急自由自在、あのご年齢での、あのぜんしんのしなやかな動きの無駄のなさ、鍛練しえた者のみが発する自信と輝き、比類のない舞のうつくしさに心底感嘆した。芸の力のものすごさ、言葉のない舞の美、老いの花を初めて私は全身で体感した。身に余る企画が実現したこと、誉れである。

名誉とは、こういうことなのだと、カナさんの舞から美のオーラをあびたよろこびに、いまだよっている。

今回の企画で、多嘉良カナさんから浴びたものを繰り返し、今後反芻し愚直に謙虚に学んで老いの路傍の花を見つけたい。


1 件のコメント:

  1. 多嘉良カナさんは、この日のためにプログラムを練り、歌詞をもアレンジされ、さらに封印されていた歌までご披露されました。 その準備段階からこの日のステージまで全身全霊で取組まれたこともあとでお聴きした。並々ならぬ覚悟の上での上演だったこともさらに感動を深くすることができました。
    それを引き出すことができたのは、日髙さんの熱意が伝わったからだとも感じました。
    まだまだこれからだとも思いました。

    返信削除