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2017-02-10

山下澄人氏の芥川賞受賞パーティーにお招きが来ました、そして思う。

先週に引き続き富良野塾がらみのことをほんの少し書きたい。先日見事な筆書きで私の名前が書かれた楷書の封書が我が家に届いた。

開けてびっくりしたのは、芥川賞、直木賞の受賞パーティーに御参加依頼の封書であった。

富良野塾の一期後輩である山下澄人氏が、芥川賞を受賞したことは、ニュースでは知っていたが、よもやまさか、岡山で静かに暮らしている私に、帝国ホテルでの受賞パーティーにお招きが来るとは、つゆほども思わなかったからである。(ほとぼりがさめたら、お祝の葉書をだすつもりでいた)

私と山下澄人氏は、一年間だけあの谷で暮らした。私は一期生で彼は2期生。出会ったとき私は32歳、彼は高校を卒業したばかりではなかったろうか。年齢が一回り離れていることもあるが、ほとんどさしで話した記憶はない。

記憶はないが、彼の眼と、大きな体を窮屈そうに引きずって歩いていた姿は 、鮮明に記憶している。、もうあれから33年の歳月が流れたのだ。

十数年前、富良野塾閉塾式でも寸暇、言葉を交わした。その彼が大きなニュースになる文学賞を受賞したのである。

受賞作を先ず読みたいと思う。理屈抜き、あの谷で苦楽を共にした仲間は、たとえそんなに話をしなかったにせよ、私にとってはかけがえのない仲間なのである。

これを機に、普通に話ができるような関係性が再び育める、人生の季節が晩年に訪れたのである。出席の葉書を今日投函するつもりだ。

卒塾して30数年書き続けてきてつかんだ 名のある賞、こころから祝福したい。人間が多面的に成長するのは(自分のことです)本当に時間がかかるし、まして他者にその存在力を知らしめるのには、(評価されるのには)どのような世界であれ半端な努力なしではなしえぬ、地道な少数者がしのぎをけずる世界での快挙である。

その受賞者が富良野塾から出たこと、富良野塾一期生としてこんなにうれしいことはない。彼の受賞は現在の私自身にも大きな刺激を与えている。

きっといよいよこれから、富良野塾出身者の活躍が、たとえマスコミに取り上げられなくても、多分野に熟成して出てくるような気がする。これは富良野塾一期生として本当に誇らしいことである。

今私が岡山の地で、ささやかに根を伸ばし、生きていられるのは富良野での生活で根底から心身を鍛える機会が持てたからである。まさに鉄は熱いうちに打て、ぎりぎり間に合ったような気がしている。

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