以前私は、このような本や、ある種の偏見が私の中に在って、副島隆彦氏の本などはあまり進んで読もうとはしていなかった。手にしたのは、対談相手が佐藤優氏であったからである。(佐藤優氏には、右とか左とかの偏屈な思考のかたより、色分けがない、ニュートラルである)
佐藤優氏の 書かれた本の前書きを読んで、読む気になったのである。私の読書は偏っていて、苦手の分野、特に経済や政治、理系に関する読書は50歳になるころまでほとんどしたことがなかった。
9年前に出版された本だが知らないことが詰まっている |
佐藤優氏の真の意味での知識人としての、その膨大な身を賭して得た体験に裏打ちされた、見識と発言、そのあまりに該博な知識に、これまた裏打ちされた、論理的な見立てに、いつも感服してきたからである。
このような思考を持つ、いわゆる異能の 真の意味での誠実な知識人が我が国に存在することに驚き、どこかこのような方が現代日本に存在することに、ほっとしてしまうのである。
今から9年前に発行された本なのであるが、対談の内容が赤裸々に書かれている、(ときに恐ろしいほどに)古くなっている個所もあるが、いま読んでも、世界の民族、宗教、歴史、地政学的な視野のあまりの広さには驚愕させられるほどの内容が、この対談には詰まっている。教えられる。
それにしても、お二人の世界情勢の情報分析、丁々発止の本音のやり取りに引き込まれ、全5章まで一気に読み終えたが、特に中東情勢の核の問題はじめ、世界情勢の目まぐるしい推移(覇権争い)は不気味さが増しているのがよくわかる本である。
五十鈴川だよりでは、深い内容は記せないが関心を持たれた方は、読むことをお勧めする。金正恩との対談を終えたばかりのトランプ大統領は、宇宙軍を設立すると発言しているが、今の国際情勢を真摯に分析し、庶民に知らせようとし、このような本が出版されて、手にできるというのは、平和な国である今のところの証左である。
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