昨日午前11時にアーリングブロードウェイから、ハマースミスのシングルルームの宿に移動した。駅から歩いて10分くらいの所である。チェックインは午後3時からなのだが、レセプションの人が部屋のカードをくれたのでラッキー、助かった。
こじんまりとして、必要なものが全て揃っていて、窓からは緑の樹木と菜園ガーデンが見える。シャワールームも清潔、すでに一泊したが、ぐっすり寝てスッキリと目覚めた。起きて先ずはイングリッシュティーを飲み、スーパーで買ったバナナを一本食べタブレットに向かっている。
昨日は宿に着いて、荷物の整理をし、肌着を洗濯し、近所のクリーニング屋さんにワイシャツを二枚出し、ドイツから持参したパンや、サラミ、チーズなどで昼食を部屋で簡単に済ませ、今回の旅で初めて昼寝をした。
目を覚ましたら午後2時過ぎ、どこにもゆくつもりはなかったのだが、足はその昔住んでいたエリアに向かった。記憶のなかの面影はなかった。当たり前である。駅の地名はともかく56年、半世紀以上の歳月が流れているのだから。
幸い、当時の行動記録日誌が残っている。旅の記録を打ちたくなる、私の性の根っこに、初めての異国、若き日のロンドンの日々が熾火のように、老人になっても残っている。ロンドンの北、スタンモアに下宿していたのだ。昨日、そこまで地下鉄(終点)で行き、散策するのを諦め、そこからはバスを二回乗り換えてロンドン中心部に戻った。
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| 窓からの眺め |
2階建てバスのいちばん前に陣取り、郊外から中心部への家並み、景色、人びとの暮らしを眺め眺め、おおよそ二時間の市内バス観光が楽しめた。
夕刻7時、マーブルアーチの高級住宅街で下車、異次元の街なかを、歴史の勝者たちが住む街の、古い古い石畳を、74歳の足で踏みしめあるいた。高級ブランド街を通り、高級レストランを横目でながめ、私の足は中華街にむかった。
中華街と劇場街は隣接していて、観光客や地元の人など、ほとんど私のような庶民で、ごった返して賑わっている。あきちの地面に座っての飲食はロンドンでは普通である。56年前と同じように、物乞いの姿も未だ多い。高級住宅街では物乞いの姿はなかった。
中華街は平日でも人人人で溢れ返り、老人が一人で落ち着いて、軽く晩飯に預かる気分にはとてもならない。が喰わねばならない。このような気分は絶対的に、異国のなかの孤独時間を体験しない方には分からないだろう。そのような想いを抱え、人は何故旅に出るのか、謎である。絶対矛盾を抱えつつ、苦楽の旅を歩ける間は持続したい。名所旧跡を巡る旅ではなく、実存的思考旅がしたい。
もう宿か、ハマースミスのパブで夕食にしようと思った矢先、路地を少し入ったところに空いた麺のお店が在ったので、迷わず入った。感じのいい小柄な中国人に、一人であると告げるといちばん隅の二人席を案内してくれた。静かに簡単な一品があれば十分だったので、ワンタンヌードルとビールを頼んだ。お腹がすいていたので美味しく頂けた。地下鉄ピカデリーラインで、午後9時過ぎ宿に戻り、シャワーを済ませ、あっという間に眠りに落ちた。
















