漸くにして、いいことか、悪しきことかは判然としないが、もっといえばいいも悪いもない、マクベスの魔女の言葉ではないが、いいは悪いで悪いはいい、とでも言いようがないような感覚に襲われる。
自分の日々の生活は穏やかに流れてはいても、こうも国内外の悲惨極まるニュースが瞬時に伝えられ、消費され忘れ去られてゆく中にあって(自分のことです)、いやでも見て見ぬふり的にならざるを得ない、ある種の忸怩たる感覚、思考停止感覚。
そのような現在の暮らしの中で、赤坂真理著【愛と暴力の戦後とその後】という本を読んだ。私より一回り若い方の本だが、私が最近読んだ中では出色の本である。
中身については、関心のある方は是非読んでほしいとしか言いようがないくらいに面白い。戦後70年を きわめて個人的に、皮膚感覚で論じた日本人論。
この本は私にいろんな事柄を突き付けてきて、手に余る大きな問題からは目をそらしがちになるところを、ピタと見据えてゆく。
その態度が、著者ならではで読んでいて実に気持ちがいい。戦後生まれの私にとってはどの章も若い方に教わる気持ちで、うーんとため息をつきながら読んだ。勇気ある問題意識の高い方の本、素晴らしい。もう一度読みたい。
朝 このプログを読ませて頂いて。今日 神戸に行く用があったので 電車の中で読もうと 駅構内の「本の森 セルバ」に立ち寄りました。レジで尋ねたら 即座に「申し訳ありません。今 切らしておりまして」 即答、ということは 私の前にも 何人ものお客さんが 尋ねたのでしょうね。近いうちに 入手して 読ませていただきます。
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