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2024-11-23

晩秋、来春土取さんの、スパイラルアームズ(ハレノワ)の公演、秋の猪風来美術館でのイベントに想いをはせる五十鈴川だより。

 休日だが、ほぼいつもどおりに起きる。五十鈴川だよりと銘打ち13年目に入っているかと思う。その間なん十回と打っているかと思うが、夜明けの、晩秋のこのなんとも言えない静かな一時、一人時間が私は好きである。部屋に差し込む光を浴びる。

静かに、珈琲をのみながら、どのような一文がつむぎだされてくるのかを、待つひととき、ささやか、いまここに存在している、生きていることのありがたき嬉しさに、でくの坊は想いを巡らせる。

猪風来美術館を是非訪れてほしい

もう大きな企画は打たない、打てない自分を自覚していたはずであるのに、精神的自給自足生活を過ごしたい、という老人ライフに軸足を移したタイミングに、よもやまさかの土取さんからのメールで、言葉にならないような日々を過ごすことになろうとは、私自身想いもしなかった。自分のいいかげんさにどこかあきれてもいる。

18才から世の中に出て幾年月、寄り道人生を、よたよたととぼとぼと歩み続け、いささかくたびれ、もう十分やり尽くした、このいまわの際の決意を、土取さんと猪風来さんはあっという間に覆してしまった。それはなぜなのであろうか。とてもではないが、言葉でもっては語りきれない。

確実に言えることは、土取さんとの出会いからの、関係性での蓄積と、猪風来さんとの、ご子息が召されてから後の、数度の関係性の深まりが、この未曾有の企画だけはなんとしても、という念に駆り立てられる。

お話をいただいて、十分老人を自覚している私のなかに、自分で言うのも気恥ずかしいが、タッグを組む相手次第で、時おり年齢を忘れたかのようなエネルギーが、どこからかわいてくるのが救いである。先日、五十鈴川だよりにコメントをいただいた松田さんが、私の行動にある種の執念を感じるとの指摘を受けたのだが、過分な言葉である。ハムレットが言うように、友人に頼まれたからである。

ともあれ、賽は自分に向かって投げられた、というようなおもいにとらわれながら、平日は普段どおりに労働しながら、できるだけ血の巡りをよくするように心かけ、思い付くことを昔夢が原でやっていたように、ノートに書き付けることから始めている。日本人のほとんどは、12月には入ると師走モードになるので、その間に私なりに時間を無駄にせず、有効に動こうと思っている。

音読は一人でもできるが、企画は仲間が絶対に必要である。突然の私のアクションに、縄文、えっそれ何?と。これまで私の企画や活動を応援してくださった方々も、正直に色々な反応をいただいている。無反応な方もおられる。それでいいのである。

中世夢が原を退職した後、土取さんからの依頼で2012年に、私の住む西大寺の観音院と、玉島の円通寺で企画した【添田唖蝉坊・知道】親子2代、明治大正演歌を歌う(あのフリージャズのパーカッショニスト土取利行さんが、おなくなりになったパートナーの桃山晴衣さんの三味線を弾き歌ったのである、心底驚いた)は、それまでアフリカ他、私が企画したイベントに足を運んでくださった人たちの、ほとんどきてはもらえなかった。

あのときはほとんど協力者がおらず、受け付け他、妻と長女が手伝ってくれ、なんとか乗りきったが、いまとなっては、個人でよく引き受け実現できたものである。でも今回は違う。反応が思いの外多く、その事が私には、意外といったら失礼だが、真摯にわがこととして受け止め、何が出来るのかわからないけれど、と、控えめながらも熱を感じる。鳥取在住のMさんは直感で身に余るコメントもいただき、応援カンパも身に余る。祈り、念じれば伝わるのだ。

来年は2025年である。土取さんと13年の時が流れ再び共に仕事がやれるとは、青天の霹靂思いもしなかった。土取さんはフリージャズから出発し、古代サヌカイト、縄文鼓、弥生の銅鐸、ピーター・ブルックの国際演劇センターの音楽監督を40年以上、一口では語れないほどの多面的な音の探求者である。来年春4月3人でのパーカッションユニット【スパイラルアームズ】、秋は10月、猪風来さんとの縄文でのコラボレーション。お声かけしてもらって、正直呆然とするが、もう後には引けない、のだ。

土取さんは前人未到の分野を黙々と歩む、音の旅を続ける現在の稀人、異能の人である。猪風来さんも唯一無二の縄文一筋50年、現役の世界最初の縄文土器造形作家である。お二人とも芸術家、音の放つ神秘的力、縄文土器の燃え立つ美に全生涯を打ち込んいる。私にできることは、一人でも多くの未来を切り開拓(ひら)いてゆく、生きてゆく(ゆかねばならない)若いか方に一人でも多く告知し、足を運んでもらいたい。年寄りだが資料持参で動くつもりである。

PS  11月からの五十鈴川だより、一人でも多くの方にお声かけ、拡散をお願いします。



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