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2025-10-24

小さな旅に出掛ける前、朝の寸暇五十鈴川だより。

 少し時間がある。思い浮かぶよしなしごとを綴りたい。小さな旅とはいえ、予定を1日早くしたので、10泊11日の旅になる。還暦以後ではもっとも長い国内旅となる。

手元に本は必須アイテム

これからの人生時間を慮り考える。できれば元気に歩ける間に、毎年のように国内旅行を、可能なら妻としたいと、想っている。

今回は一人旅、というのは老犬のメルや猫のはながいるので、二人揃っての旅ができない、という事情を抱えているからなのである。なのだが11月半ばには、夫婦揃っての旅を短期間でやろうと、話あっているところである。

さて、若い頃は、発作的に旅に出ても、行き当たりばったりでもなんとかなり、それがまた特権的であり楽しかったものである。

世の中もまだいくぶん余裕があり、旅行代理店のかたなんかも、対面で若者貧乏旅を支援、相談にのってくれたものだが、世の中すっかり様変わり、インターネット、リモートでの予約が定着してきたので、私のような老齢者はすっかり時代においてけぼり感覚を生きている。

だが、私にとっての旅は、好奇心ある間は必須アイテムなので、生成AI時代であろうとも、その淡い、いわく言いがたい隙間を見つけて、一期一会的な旅を、と妄想する。一人旅をする者の事を、日本語で遊子と言うのだそうである。素晴らしい先人たちの紡いだ言葉、ゆうしと呼ぶ。風天の寅さんてきに遊び心旅に誘われるのは、古今東西枚挙に暇がないくらいの浮き世をさすらう御仁がたくさんいたのである。

私もその一人である。生家の近く同郷の歌人、若山牧水に最近とみに引かれる。[白鳥は悲しからずや空の青、海の青にも染まず漂う]漂泊の人生に、できもしないのに憧れるのは何ゆえか。それが分かれば苦労はしない。持って生まれた気質と言うしかない。

いきなり話は変わる。そのような老齢者の私を気遣って、妻がホテルやその他、あれやこれやと、割愛するがAIを上手に使って、無謀な旅にならないようにマネージャーを務めてくれた。老いては妻に従い、子にしたがうのである。何より家族在っての私である。

だが、家を一歩出れば、荷物を担ぎ、自分のいまの体で世間の風に当たり、あまりのと言えばあまりの、時代の急変の凄まじきつぶてを浴びる旅になる。だが浴びないと駄目になる。居心地の良い所ばかりにいると、視野狭窄に陥る。それを私は怖れる。私の旅は、安全な予定調和マニュアル旅ではない。

とはいえ、今回は娘たち家族に会い、滅多なことでは会えない友にもあい、生まれて初めて訪れる縄文遺跡への旅が、今日から始まる。折々五十鈴川だよりを打ちたい、楽しみである。



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