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2021-12-14

2021年12月12日。ヌーヴォーシルクジャポンを高松城玉藻公園 披雲閣で体感しました。I氏のお招きに感謝します。

 コロナ下のこの2年、普段はほとんどルーティンな日々なのだが(それを最近は楽しめている)先週土日2度も瀬戸大橋を渡り、徳島と高松に出掛け、昨日はルーティンの肉体労働をこなし、やはりどこかしら意外な良き刺激と、電車の往復時間が長かった事で、年齢を感じた。昨夜はなんもする気がおきず、夕飯後すぐに横になった。(でもすぐれて良き疲れなのである)

だがこの二日間のちょっと年齢的に、すこし無謀とも思える二日間連続日帰り旅は、まったく異なる世界へ今の私をいざない、導いてくれたという意味で、五十鈴川だよりをやはり打たずにはいられないという気にさせてしまう。わずかであれ日記風に打っておきたいのである。

賀川豊彦記念館を訪ねた翌日、私は 午後2時過ぎのマリンライナーで高松に向かい駅のスタバで、ご招待いただいたI氏とほぼ4年ぶりに再会し、すこしおしゃべり個人的なDVDを渡し再会を喜び合った。

ついでに、こういう時間はめったなことでは訪れないので、私は香川で土取さんのサヌカイトの野外公演イベント実現に向けて熱い情熱を持続しているOさんを、I氏に紹介することにしていたのだが、わずかな時間ではあったが、お互い面識を交わすことができ、私としてはうれしかった。

そのスタバに一本遅れのマリンライナーで、I氏のお招きイベントに私がお誘いしたNさんもついて、駅から歩いて600メートルの会場に4時過ぎに向かった。会場は史跡高松城跡玉藻公園内 重要無形文化財【披雲閣】。


イベント名は ヌーヴォーシルク ジャポン(フランス語である)IN玉藻公園 披雲閣とある。私はほとんど何も知らず、先入観も何も持たず、このお招きにあずかったのだが、一言でいえば、めったなことでは味わえない、まさに異次元の世界へいざなわれるかのような、いつものルーティンの日々では決して味わえない時間を過ごしたことだけは、五十鈴川だよりにしっかと留め置きたい。

高松城の史跡 披雲閣 の場が生み出す、で行われる、お能、琵琶、笛、(古楽器)謡、オブジェ、明かり、そして初めてみた瀬戸内(現代)サーカスとの調和融合、そして能の羽衣に沿ってヌーヴォーな試みの時間が進行する。

コロナ下の閉塞逼塞状況下、眼福聴福(笛の音・琵琶の音・謡、そして瀬戸内サーカスのしなやかな鍛えこまれた体の動きのさなかにも、遠く記憶の底を呼び覚ますかのような音色の響きがどこからともなくかすかに聞こえる)良きものに触れ、見ることができた喜びを再び打っておきたい。(生者だけがこの世に在るのではない死者たちと共に現世は在るのだ)

それにしても、お能の衣裳(あのような衣装を生み出したお能の美、花伝書をまとめた世阿弥のすごさには震撼とした、世界の乱世を鎮めるにはお能は最適な芸術と私には思える)をまとった演者が顕れた時のあのたたずまいの静謐なる存在感には、まさに幽玄としかたとえようなない霊が舞い降りてきたかのような、心持に陥った。嘘の仕掛けの圧倒的リアル。

まったく突拍子もないことだが、前日訪れた賀川豊彦氏が能の衣裳をまとって現れたのではと、錯覚するほどのあらぬ妄念が湧いてきたのも、この試みのなせる何かが、羽衣のように私の中にも舞い上がるのではなく、舞い降りてきたのである。一言、良き正夢をみた。

PS I氏は開演前総合プロデューサーのTさんを私にご紹介してくださった。


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