友遠方より来る、また楽しからずや。昨夜は神奈川県の三浦に住む、ロンドンで出会った35年来の友人がエリックマリアさんのライブをわざわざ観にかけつけてくれました。夕食を共にし、楽しい時間を過し、私としては珍しく遅くまで起きていたのですが、やはりいつもと同じ時間に眼が覚めました。
キィを打ちながら、窓から雨に打たれる妻の育てた花々を見ながら私の最も好きな一日の始まりの時間です。いよいよエリックマリアさんが、午後には岡山にやってきます。いい歳なのに子供のようにウキウキする私です。
外は雨が降っています。私の心は晴れています。退職後の第一回の企画は、雨の中で聴くチェロになるのもまたよし、午後には止むかもしれません、いずれにせよ天気をあまり気にしないで済むということは、ありがたいです。
私はこれまで大きな野外での企画を、何十回と企画してきたので、何度も胃が痛くなるようなおもいをしてきたのですが、先ずこれからはそのような思いはしなくても済むということ一つとっても、やはり何かが大きく変わってゆくのだとの思いです。
電気が発明される以前の芸術、人間力中心の。シェイクスピアもそうですが、いわゆる古典と呼ばれる作品世界に、50代に入ってからの私はとても惹かれます。振り返ると夢が原でもほとんど伝統的な音楽を中心に企画をしてきました。
雨に打たれる妻の育てた撫子 |
ブログ時間で簡単に書けることではないのですが、何百年という歴史的時間の中で、消えることなく今も通用し、今を生きる人々の心を打つ芸術作品の魅力はなへんに在るのか、肉体の奏でる魅力。
私の生きる現代生活の時間には、ノイズも含めたあらゆる、機械音、電子音が取り巻いています。物ごころつく頃から、そんな環境で私も生きてきたのですが、やはりいい意味での齢なのだとおもいます。静かな小さな世界の多様な音に気づくようになってきたように思います。
さて今夜は、チェロだけの全くの生音の音楽会です。企画者として、電気の無い時代に思いをはせることが可能な、少人数対象の音楽会、いまはただ来てくださる聴衆と共に、エリックマリア氏の一期一音チェロの響きに全てを忘れて身をゆだねたいとの思いです。
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