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2025-06-21

明日県立図書館デジタル情報シアターで行われる猪風来【我が縄文芸術人生を語る】前日の朝に想う五十鈴川だより。

明日は県立図書館デジタル情報シアターでの、猪風来さんの【我が縄文人生を語る】14時から16時(開場13時半)の日である。企画したのは私である。

詳細は割愛するが、昨年暮れ猪風来さんから今年秋の(10月12日)猪風来美術館開館20周年記念イベントの企画応援のお電話をいただいてから、すでにおおよそ8ヶ月以上の時が流れている。

企画者冥利である。

40才で岡山に移住し、仕事としての企画を美星町の中世の歴史公園中世夢が原で一から始めて(61才から69才まではまったく企画からは遠ざかっていた。その間は生活しながらひたすら、シェイクスピアの翻訳日本語の音読、リーディングにエネルギーをかたむけていた)70歳から再び企画を再開して今に至るのだが、よもやまさか、猪風来さんから直接お電話をいただくなどとはおもいもしなかった。

私は企画応援を引き受けるのにあたって、昨年暮れから新見の猪風来美術館に先ずは通うことから始めた。猪風来さんの過ぎし来しかたをほとんどなにも知らないといっても過言ではなかったからである。

何回か通って、年が明けてスパイラルアームズの公演に向かいながら時間を見つけては猪風来美術館に通っている時に、これほどの芸術家の存在が、私も含めてあまりにも、 この岡山で知られていないことに、愕然としたことが今回の企画の発端である。

先ずは私自身が少しでも猪風来さんの歩み、縄文造形人生を知るために本人に、改まった場所、空間で他者の前できちんとお話ししてもらう機会をつくり、その事を記録として遺しておきたいというのが動機である。(ゆく度に猪風来さん、急逝されたご子息原野さんの縄文造形作品の圧倒的なまでの、独創性、生命力の輝きにいまも打たれ続けているからである)

40才から、企画することをヒトに教えてもらったわけではなく、馬鹿の一つ覚えのように、感動する器、体がかろうじてあったからこそ、我が体が発熱するのを頼りに、(老人ではあるがいまだ発熱するそこにしがみついて企画をしているだけである)

トーク、(猪風来縄文造形デザイン語り世界)を企画するのは初めてである。この年齢で初めてのことを経験する、出来るなんて、私には実に贅沢なことなのである。お金をふんだんに持ち合わせている御仁ではなく、私のような生活労働者、一庶民が猪風来さんのトーク、物語を企画できるなんて、夢のようである。ましてこの年齢になると、元気にワクワク企画できることは何物にも換えがたい【何か】おおいなるものからのプレゼントに思えるのである。

企画をすることは、謙虚に學ぶことである。老人妄想癖企画者と受けとられてもかまわない。あえて打つ。他に誰もがやらないような企画がなせるなんて、企画者冥利に尽きる。参加者の多い少ないではない(多いに超したことはないが)。自分がやりたい、嬉しい遊び心のない企画は私には出来ない。私がほとんどの企画をやれたのは、中世夢が原(フィールドオブドリーム)の場と空間があったからである。(あそこだったから企画が成せた)

一万6000年まえからおおよそ10000年続いていたと言われている人間らしい、穏やかな縄文時代の、日本列島の北から南にかけて百花繚乱出土している縄文土器、言葉を凌駕してやまないあまりの敬虔な祈りに満ちた、遊び心の極致とでもいうしかない変幻自在な渦の紋様の美。その世界に導かれ、人生50年を捧げた猪風来さんのお話に、明日来られる参加者と共に耳を傾けたい。


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