私としては全く異論はない。塾生全員、私も含め超多忙現代を生きている最中、遊声塾の塾生だからといって、それほどシェイクスピア作品に通暁しているというわけではない。
私はたまたま若いころシェイクスピアシアターという劇団に3年ほど在籍していたがために、運よくまったく知られていなかったほかの作品 を知ることができただけである。(何という幸運、あれがなかったら遊声塾はない)
だから私は考えた。年内、遊声塾のレッスン時間の中で、一幕か二幕ほかの作品を読む時間を持ちたいと思うのである。少しでも塾生がほかの作品を音読することで、年齢や時代と共に変化する、シェイクスピア作品の多様な豊かさの一端を知ってもらえたらとの思いである。
どんな夏の夜の夢になるのか本当に楽しみ |
結果、循環しながら いろんな作品を読むことで、夏の夜の夢に対する取り組みの意識も、きっと深まってゆくに違いないとの確信が私にはある。
20代の終わりの数年間で、一回しか読んでなくて、あらすじもほとんど忘れてしまった作品も多くあるが、不思議と読んでいると思い出すのである。人間の脳はまったくもって不思議な器である。
400年も前、エリザベス朝時代にシェイクスピアという座付き芝居作家が創造した、愉快というしかない登場人物の魅力的なセリフ回しは、貧血気味超多忙現代人には息も絶え絶えではあるが、それでも 続けているとある日突然それらしく息切れせず言えたりするから、続けられるし楽しいのである。
せっかく遊声塾に参加しているのであるから、塾生には可能なら全作品を私と共に、音読してほしいのである。意味もなく全作品音読したら、絶対自信が自然とつくはずである。
俳優とは、声を出すことが好きな輩である。仲間と声を出しあうことが好きな輩である。声と声で交流する、それを見知らぬ誰かに聴いてほしいとの業を生きる輩である。
私は6名の塾生にとにかく自信を植え付けたいのである。そのために微力を尽くしたい、それこそが、初老男の夏の夜の夢である。
0 件のコメント:
コメントを投稿