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2013-12-04

山陽カルチャープラザで、素晴らしい生徒さんと二人っ切りのレッスンが始まりました


師走もはや4日、淡々と我ながらこんなにも穏やかな個人的な師走は、オーバーではなく世の中に出て初めてかもしれないと言うほどに、ささやかな満ち足りた師走をつつがなくおくれている今を噛みしめつつ、ブログを書き始めている朝である。

 

今日は遊声塾の日だから、長い一日になるので、昨夜はいつにもまして早めに床に着きゆっくりとやすんだ。

 

今のところ私は、火曜日から土曜日まで働き、日、月はお休みという生活をしている。月曜日の午前中今のところ生徒さんはわずか一人だが、山陽カルチャープラザでシェイクスピアを声を出して読む講師を引き受けたのである。

 

この生徒さんのことを、少し今朝は書きたい。たった一人の生徒さんの年齢は何と83歳、女性である。これまで3回レッスンを共にしたのであるが、この方が一言でいえば素晴らしい生徒さんなのである。

 

お生まれは戦前の大連、敗戦で舞鶴に引き上げて来られた時が、15歳、肺の御病気で青春時代は療養生活を余儀なくされ、戦争と御病気で大切な学ぶ時間を奪われた青春時代を送られたとのこと。健康になられてからは東京で40年近く旅行関係のお仕事をされ、68歳から80歳を過ぎるまではパリでお一人で生活をされ、健康を害したのを機に日本に帰り、縁あって倉敷の水島に2年前から住んでおられる方である。

 

私などには及ぶべくもない、波乱激動の時代を歩んでこられた方である。その方がなにゆえか、縁あって私の塾に参加され、わずか3回であるがいきいきとシェイクスピアの膨大な台詞を声に出し手読むのです。小さな声なのですが、それがまた美しい日本語なのです。

 

こないだ二人っきりで、間違いの喜劇を交互に輪読したのですが、ほとんどつっかえることなく淡々とよどみなく読まれる姿は、凛として堂々として実にあっぱれというしかありませんでした。

 

声をお互い出し合いながら世代を超えて、無心で共に声を出す。不思議異な幸福感が私をおそいました。たったひとりではなく、この方が最初の私の生徒さんとしいて来られたことを、私は何かに感謝せずにはいられませんでした。お元気な間二人だけでも声を出し続けたく思います。

 

何よりも彼女はシェイクスピアの言葉の力の素晴らしさを良く理解しています。彼女の人生を芸術が支えていた、香気のようなものが端々に感じられるのです。彼女は一人でも多くの方にこの塾のことを伝えたいとおっしゃってくださっています。有難いことです。

 

 

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