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2013-07-04

上京二日目、金曜日の出来事の後半をつれづれれなるままに


ある夜の出来事で偶然に頂いたおつまみ

さて昨日の続き、高峰秀子さんの愛された永坂の地には、なんとブリジストン美術館の分室があり、平日のみ午後無料で開放されていて、たまたま通りかかった私たちは、なかに入ることができた。意外なことが起こる、いい意味で。それはたまたまなのだが、必然的な帰結なのかも。

 
創業者が住んでおられたところを美術館にしているのだが、東京のど真ん中に、高峰秀子さんの家のすぐ近くに、こんなにも静けさに満ちた近代洋館建築空間があることに驚くとともに、歳月が育んだ樹木の木陰が清涼感を醸し出し、人知れぬ大都会のオアシスでしばし憩うことができた。

 
この数年上京するたびに、東京散策をK氏と続けているのだが、今回もまた格別の遊歩散策になった。休みやすみの気ままな数時間の散歩は、ガイドブックなんかがなくても、かえってない方が、何気ない充実の、犬も歩けばの私好みの、金の不要な旅ができる。歩ける身体と好奇心あればこその、贅沢なのではないかと私は考えている。

 
永坂から三田の宿まで歩き、少し休んで二人で赤羽橋から地下鉄で昨日に続き、新宿に出る。今回の上京の一つ、4月から東京で社会人になった娘が婚約者のレイ君と二人で新生活を始めたので、彼らの住んでいるところを訪ねるということ。しかし平日は二人とも働いているので、土曜日に会うことにしてはいたのだが、母が育てた野菜を御土産に私に持たせたので、それを一日でも早く娘に渡したく、仕事を終えたレイ君と新宿で待ち合わせたのである。

 
新宿駅に行くのは数十年ぶり、岡山駅の前で待ち合わせるようにはいかなかったものの、ケータイのおかげでなんとか手渡すことができ、明日はあなたたちのところに厄介になるからね、と夕方のおびただしい雑踏の人ごみの中で、未来の御婿さんに慌ただしく伝えた。

 
ホッとした私は急に疲れが出て、再び赤羽橋に戻り、そこからは勝手知ったる三田界隈、われわれの宿は近い。この三田には、K氏が探した・角うち・というお酒屋さんが原価で飲ませてくれる、実に趣のある立ち飲み屋さんがあり、これまで何回かK氏と行っているのだが、今回もそこで今夜をしめくくるために立ち寄った。すぐ近くに東京タワーの夜景が望めるいい場所。

 
そこで、私は御酒をこぼし、失態をやらかし隣の若い女性に、ご迷惑をかけたのだが、この女性が福岡の出身の寛容な方でことなきを得、すかさずK氏がお詫びにその女性に(男女4人の感じのいい方たちでした)ビールを差しいれたところ、なんとこちらに非があるのに、おかえしに御つまみをわれわれに差し入れてくれたのだ、気持ちのいい男性の一人が。

 
ある夜の出来事を、愉快に楽しむことができる遊び心のある方たちとの、その日の一日の終わりのちょっとしたひとときは、私とK氏を幸せな気持ちにしてくれた。

 
その女性には、岡山の住所をメモし渡した。K氏とのつかの間の再会はいつも愉快なことが起こる。出会って35年、これからも一期一会の時間を可能な限りともに歩き、愉悦の時間を過ごしたいと思う。

 

 

1 件のコメント:

  1. こんばんは。
    先日は三田の角打ちにて楽しくお酒をご一緒させていただきありがとうございました!
    件の酒をかけられた博多女です。

    ブログもゆっくり拝見させていただきました。
    私も高峰さんの文章が大好きなので、勝手に親近感を沸かせておりました。(先日「台所のオーケストラ」を読んだばかり!)

    岡山、ぜひ遊びに行かせてください!

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