期日は7月7日、場所は県立図書館2階、デジタル情報シアター午後2時開演、90人の定員である。(関心のある方は申し込んでください)
私は夢が原退職後、私の一念発起で立ち上げた極めて個人的な塾に、よもやまさか月謝をはらってまで参加してくる塾生があるということが、にわかには信じられなかった。(以前も書いたがご容赦を)
61歳までのほとんどの時間、子育て、企画をすることにエネルギーのほとんどを費やし、シェイクスピアの膨大な言葉を、まったく声に出していなかったので、わが体はほとんど声を出すことに関して、さび付いていていたからである。
でも心のどこかに、なにがしかのこれまでの自分のなかでの、シェイクスピアに賭けてきた情熱、ゆうに言われぬうぬぼれのようなものがあり、3年やれば体の中の錆がいくばくか磨かれるのではないかとの、淡い望みのようなものがあったのは事実である。
企画の仕事も40歳で一から始めたし、まあ背水の陣、自分を信じスタートしたのである。(自分を信じないととても生きてはゆけない)結果、現在塾生が6名、私を入れて7名でリア王に挑んでいる。5年目にしてようやくリア王を読むことがかなっている現実が、かくもうれしく私を鼓舞する。
塾生のお嬢さんが作ってくれたチラシ |
あと2ヶ月で本番を迎える。いよいよこれから本番に向かって嶮しい山リア王に挑む。
昨夜全員そろって7名での稽古がしずしずとおこなわれた。あっという間に稽古時間が過ぎてゆく。
何せ、すさまじい言葉言葉言葉が飛び交う 作品である。表面に現れている言葉の深い根っこを探り、掘り、それを華奢なかぼそい体で、声に出して表現するのは生半可なことではない。
声を出しても出しても、その芯まで探り当てるのはよもやこれまで、不可能とさえ感じる。だが、それでいいのである、塾生は私の時に厳しい稽古に必死に声を出す、その姿が美しい。
今じたばたと悪戦苦闘することの中に、真実が宿っているのではないかとの思いが私にはある。上手下手ではなく、塾を立ち上げたことでたまたま出会えた この6名の塾生との稽古時間が、苦しくもまた楽しいのである。
今現在のわが人生時間に、かくも豊かな実りのいっときが訪れようとはおもいもしなかかった。先のことは考えず、声が出る間に、6名の奇特な塾生との言葉の格闘時間を、ことのほか大切に過ごしたいと思わずにはいられない、私である。
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