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2018-02-23

108円で求めたDVD、ライムライトを45年ぶりに視る、チャップリンの偉大さをあらためて知る。

就職活動で上京し、長女のところに居候していた娘が、約ひと月ぶりに今日帰ってくる。
3月の頭には再び上京し、4月からは保育園の管理栄養士として再就職、再出発することになった。

私としては、娘の自律的選択をただただ見守るだけである。人生の荒波は自分で浴び、その過程で、全身で何かをつかんでいってほしいと願うほかはない。

話は変わる、一昨日遊声塾のレッスンの前、表町に用があり、歩いていたら中古のDVDを販売している店があり、何気なく棚を見ていたら、チャップリンのライムライトが、なんと100円で売られていた。

あまりの安さに驚きながら(チャップリンの作品はそれしかなかった)私は求め 、昨夜45数年ぶりに作品に見入った。ライムライトは私が生まれた歳の作品である。

これまでの人生の中で、自分に影響をあたえた まぎれもない作品の一つである。少年期、思春期、青年期に折々のタイミングで(場所の記憶と共に)みた映像作品は、記憶の中の宝である。
私にとっての英国は、シェイクスピア、チャップリン、ビートルズだ

上京後の数年、お上りさん田舎者の私が 、苦しいかつかつ生活を余儀なくされながらも、何とか今を生きていられるのは、あの当時数々の名作を安い値段で上映してくれる、古い映画館(現在のシネマの雰囲気とはまるで異なる)がたくさん存在していたからである。

特によく通った、銀座の並木座、飯田橋の佳作座、池袋の文芸坐、新宿のアートシアター、三鷹オスカーほかにもたくさん、よく通った。(これまでの個人的な思い出の映画については、生きている間に、元気な間に、つたなくても書いておきたいと思っている)

ライムライトは佳作座で観たと記憶する。そして二十歳のころ、中野好夫訳のチャップリンの自伝を私は読んだ。新潮社版で赤い表紙のなかにステッキを持ったチャップリンのイラストが印象的、当時私にとっては値の張る本で(中野好夫さんはシェイクスピア作品も訳されている)かなりの分厚さだったがあまりの面白さに、一気呵成に読んだ記憶がある。

ケニントンロードは、で始まる書き出しを今でも覚えている。46年ぶり、もう一度読んでみたい。(どこに消えたか手元にはないが、記憶にはしっかり残っている)最近新しい翻訳も出でいるみたいだ。

ところで、いまもたくさんの映画が封切られているが、あんなに胸を躍らせて映画に見入った時代は過去のものとなった。たまにしか映画館に足を運ばなくなったわが暮らしの中、過去、私に影響を及ぼした映画をあらためて家でDVDでじっくりと見てみたいと思う、過去に観た名作は今を生きる私に新たな喜びと感動を与える。

ライムライトは、今私の年齢で見ると改めて胸に迫る。チャップリン演ずる老いた芸人カルベロが素晴らしい、シーンシーンと言葉が。名作とはこういうものだと改めて知らされる。

人生に最も大切なもの、カルベロのセリフ、人生はたたかい【勇気と、想像力と、少々のお金】。名作は時を超えて蘇る、観る者の心が今も健在でみずみずしさを保っていれば、名作は組めども尽きせぬ泉である。


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