私が岡山に移住してから、今年で26年目になろうかとしているが、福山まで歌を聴きに出かけるのは、私の記憶では2回目のことである。【ハイチの女性歌手以来)
この十数年以上、私はライブで女性の歌を聞いたこともなかったし、よもやまさかこのように魅力的な、歌声を醸し出す歌姫に出遭えるなどということは、今の時代、まったく予想だにしてもいなかった。(いまという時代だからこそこのような歌姫が出現したのかもしれない)
昨年シアターXで行われた、私が知らない演歌のルーツを現代に知らしむる、土取利行さんが果敢に取り組んでいる、添田唖蝉坊の歌世界の、明治大正の女性の歌を唄う特別ゲストで招かれていたのが、松田美緒さん歌声との邂逅である。
その後昨年9月に行われた、土取さんが毎年行っている郡上八幡音楽祭での、西アフリカの素晴らしい音楽家たちとの共演が【マリの弦と歌声による】2回目。(これもすばらしかった)
昨年秋郡上八幡で録音された、土取さんと美緒さんの奇蹟の即興ライブ |
そして、今年お正月気分も冷めやらぬ、1月13日に再びシアターXで行われた、土取利行さんの添田唖蝉坊の歌の世界のゲストでの歌声が3回目。(日本人移民の歌に添田唖蝉坊のラッパ節が歌われていたことを昨年秋、ブラジルでの旅で知った、松田さんによる驚きの発見とリポート、出会いと奇蹟の連鎖、人類は歌と共にある、理不尽な暴力や圧力は本質的に何事も解決しない)
昨年から今年にかけて4回も彼女の、歌声を聴く機会が 続いたことの、有難さ、喜びを、何としても、ささやかにわが五十鈴川だよりに、記さないではいられない私である。
土取利行さんと松田美緒さん、異能者同士のコラボレーション。まさに出遭うべくして出会った二人の世代を超えた活動は、今を生きる私にとても勇気を与えてくれる。(そのことに関してはまた時間を見つけて書きたい)
松田美緒さんの活動に関しては、是非インターネットで、注意深く検索してほしい。私の取り急ぎの拙文では、とてもつたえられない。
ところで、昨夜はピアノと彼女の歌声のみシンプルなライブ、サンバを始め私が聴いたこともない歌ばかりであったが、あまりにも声音が自在で自然で (風や波の音のように作り物の声ではない)小さい、かすかに漏れる息音が体に沁み行ってきた。
ライブハウスならではの極上さ、贅沢な時間に初老男の躰はつつまれた。歳を重ねる中で見つけた歌姫の今後を可能な限り、聴き続けたい。
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