【2月、私は64歳になった。道半ばだが、18歳で田舎から世の中に出てから、ささやかではあるが非力な己の器を引きずりながら、振り返ると挑戦をし続けてきたように思える。
私は非常に臆病である。数年前退職を前にして、さてこれから何をして晩年時間を生きてゆこうかと自問自答した際、私の中ににわかに沸き起こってきた感情が、30年ぶりにシェイクスピアを声に出して読みたいというものだった。
振り返ると高校生の時に見た、ロミオとジュリエットが 私とシェイクスピアとの出会いだ。登場人物のなかで、私がもっともしびれたセリフは、ロミオの親友のマーキューシオの言葉だった。
シェイクスピア遊声塾もを立ち上げてはみたものの、ほとんど宣伝もしていないし、私の中にも何せ30年ぶりだし自信や目算があったわけではなく、まったくおゼロから虚心にと声を出してシェイクスピアの言葉を発して、還暦を超えての再出発として遊ぶのだ、というくらいの気持ちだった。
だから、塾生を集めるよりも私自身がひたすら遊んで声を出し続けることを週一回にもせよこの3年ひたすら、お百姓の間の都の合間に
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