洗った靴 |
私の家は同じ敷地に建て直して、丸12年以上が経ちました。完成した時小学生だった娘二人が大学生で、長女は来年就職です。まさか、こんなに広い家に(私にとってです)住めるようになるなんて、18歳で世の中に出て考えもしませんでした。だからなのです、私はこの家で過ごすお休みの日がお気に入りです。旅は別ですが、歳と共に家で過ごしたいという自分なのです。
猫の風太、犬のメルも入れると、今我が家は6人が住んでいます。6人が毎日住む家。家というものは、家族にとっては最後の砦のようなものです。特に私にとってはそうなのです。お休みの日、一人の時は音楽をかけ、気ままに自分の仕事をします。思い通りにできる空間ですから、ひとりの事務所としては申し分ありません。
若いころ、初めてロンドンで一年近く過しましたが、かの地の人たち、いわゆる労働者階級が、念願のマイホームを手に入れ(イギリスでは何世代にもわたって家をメンテナンスしながら大切に使います)そのお家にかける愛情を間近に見た私は、その時受けた感動を覚えています。今ようやくにして、私は本格的なセカンドライフに入りつつあり、来年からは全くフリーになりますから、お家のメンテナンスに時間をかけたく思っています。
何より一番記憶に残っているのは、柱にペンキを塗っている姿です。私も一度塗れる範囲を、弁柄で塗ったのですが、またもう一度秋になったら塗ろうと考えています。物を大切にするという考え、習慣、哲学がイギリス人にはしみこんでいました。根本を忘れないという頑固で豊かな伝統が、ひるがえって自分はということを、いまだに私は思うのです。
この間、白い運動靴がすごく汚れていたので、本当に久しぶりに洗ったのですが、そんなには見た眼きれいにはなりませんでしたが、乾いてみると、洗う前より歴然ときれいになっているのがわかりました。買って使って洗う、洗うということをもっともっとしたいと思う最近の私です。ようやくにして自分の自由になる時間が、ふたたびやってきたのですら。
それから、最近雑巾がけをなるべく心がけています。我が家は床が天然木のところが多いのですが、掃除機をなるべく使わず、雑巾で拭くようにしいところ、裸足で歩いた時の感触が全く違うことに気付いたのです。目を床に近づけてみると何と埃が溜まっていることかと驚いたのです。雑巾がけは足腰の訓練にもなりますので、身体の動く限り、休日は雑巾がけをすることにしました。
遊悠塾でも、掃除にはこだわりたいと考えます。遊悠塾は自分を洗うための塾なのですから。
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