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2023-05-19

孫送り・稲城里山・一巡り、そして想う稲城6日目の五十鈴川だより。

 金曜日朝イチノア君を保育園に送ってゆき、その足でめぐみの里山を一巡りしていつもゆくスーパーの方にでた。散歩にはいささか長い一時間半くらいあるいた。この稲城の里山は小高い丘陵地で農園もそこかしこにあり、養蜂をやっているかたもいて、今の季節バラや柑橘類の花他が咲き乱れ、紋白蝶がたくさん舞っていた。

散歩しているのは私一人しかいなかったが、丘陵地には森もあって、樹齢を重ねた大木もあちらこちらにあって私のような高齢者の散歩にはもってこいの里山である。娘たちの住むマンションの裏にはといえるほどの距離で、気が向けばすぐに行けるので、ありがたい里山である。

近年里山の価値が認識されて久しい、3人の孫に想うことは情操豊かな感受性を幼少期に身につけてほしいということだ。そういう意味ではレイさんがよくこの里山を孫のノア君と散策しているので、贔屓目ではなく今のところ、ノア君は好奇心いっぱいに育っている。

レイさんが用意してくれたクワガタの家


マンションの近く、保育園に向かう空き地に野草の花が咲き乱れていているのだが、ノア君は必ずその野草の空き地を歩く。そして花を摘む。帰りに摘んだのは家にもちかえる。するとレイさんがちゃんと活けている。数ヶ月ぶりに保育園の往復を共にするだけでずいぶんと変化している。

昨日の朝もマンションの中でクワガタを見つけ、嬉々としてレイさんに報告。早速レイさんはクワガタの家をつくってあげた。素晴らしい父である。そして想う、この孫たちの成長を一日でも長く元気に見守る(見守れる)おじいさんになりたいと。

散歩の途中で一人の81才の元気な老人に出会った。私より10才も年上でかくしゃくとしておられるので、思わず声をかけたのだが、先のことはわからないにもせよ、あのような見事な歳のかさねかたをみると、これからの10年の過ごし方がいかに大切かを知らされる。

あのような好奇心溢れる方に散歩で出会うと、古希を過ぎたばかりの私などはまだまだこれからだと、思い知らされてしまう。別れ際お年寄りは私にいった、一期一会です、体がすべてお元気でと。大当たりの稲城の里山散歩となった。

ところで稲城の滞在もあっという間にすぎて今日が最後、明日は次女のところにゆく。丸6日ノア君と過ごしたのは初めてなので、いくばくかうしろ髪をひかれる。(もう私には毛がないのだが)他の方はいざ知らず、私は情にもろい方である。情が移りやすいのは明らかに父親の遺伝子を受け継いでいる。

この情の感覚は一言では言えないほどに、自分のなかではやっかいな因子なのを自覚している。だがどこか仕方なくこれが自分らしいのだともう諦めている。時代に明らかにそぐわない情動のようなものを抱えながら、自分なりの老方、居場所を探したい。

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