家での過ごし方で、昨年のお正月とのいちばんの 違いは、今朝もやったのだが弓の巻き藁稽古を一日も休まず続けたことである。昨年のお正月は殆ど巻き藁をしていなかったのではないかと思う。物事には情熱の移り変わりや、自分にとっての向き不向きを含めての、つまびらかにはできない情動が、とくに私には性格的にある様に思える。
正直に書く、岡山の 道場での稽古には自分は向かないのではないかという思いが、初心者教室を卒業して後徐々に湧いてきて、稽古に励む情熱が(シェイクスピア作品を声を出すことや、ほかにもっとやりたいことが増え、時間が必要になってきたことや、家族のことなどいろんな事情がかさなって)消えかかっていた折、故郷
朝日を浴びる巻き藁、私の体にも朝陽が入る |
先生との出会いがなければ、おそらく弓の的前に立つ稽古は断念していたのではないかと思う。 私がはじめて指導を受けた弓の流派と、故郷の先生の流派とでは構え他の作法が異なる。
少し悩んだが、故郷の幸節館の館長に教えていただくことに決めたのである。I先生の指導を直接受けるのは、故郷に帰省した時だけであるから、せいぜい年に四~五回しかないがそれでも私はひとりI先生の指導を仰ぐことに決めたのである。
そして、再びというか弓をひくという、喜びのようなものがわが心にともり始めたのである。 だから、もしI先生と出会わなければ、多分弓の稽古は断念していた可能性が高い。自室で行う素引きは続けたかもしれないが、どなたかに習うということは断念していた、と思う。I先生の存在感、言葉のおかげで再び情熱に灯がともったのである。
それほどの魅力がI先生には備わっていて、その風格から醸し出される言葉が私の胸を射抜いたのである。旅に出て家を空けたら、巻き藁ができない。数日巻き藁ができなくても大局は変わらないかもしれないが、家で、この数十年お世話になった方々に、お手紙などを書く時間に充てていたら、結果じっと過ごすお正月になったのである。
明後日からアルバイトが始まり、お休みは明日までである。最後のお休み、明日はちょっと 遠出しようかと思案している。
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