とあるところで撮った銀杏の葉のじゅうたん |
なぜこういうことになったのかのいきさつを少し。ひと月くらい前、 塾を続けるか塾をいったんお休みするか、私の中でいくばくかの煩悶が生じてきて、塾生とお話をする時間を設け、今のメンバーででの持続継続を確認した際、塾を立ち上げた時からの付き合いであるY氏が、塾生の交流も含め、一度高梁の我が家でレッスンをやりませんかと申し出てくださったからである。
参加したのは私と塾の熱きトリオ女性3人、岡山発9時17分の伯備線でY氏の待つ高梁へ。天気は最高、気分はすっかり遠足の趣。10時12分に高梁に着き、Y氏の運転するクラウンに乗せていただき、いきなり予定変更、氏の案内でぶらり備中高梁めぐりへ出発。
Y氏の名ガイドでたたずまいを外から眺める程度ではあったが、約一時間と少し、旧家の風情が今も残る頼久寺界隈、氏の通った高校、山田方谷が学問を指南した建物を車窓から眺めたりしながら、徐々に山の奥にドライブし、近年天空の城として名高い備中松山城を眺める展望台に到着。
そこには数日前に降った雪が残っていて、ちらりほらりと粉雪も雲間から落ちていた。寒かったが、皆童心に還って小さな旅時間を満喫した。
その小さな旅の最後を締めくくり、我々をほんわか気分にいざなってくれたのは、展望台近くに群生している、100匹いると確認されている中の、半数近くのおさるさんの群れ。老若男女の愛らしくもむつまじいしぐさで、我々を迎えてくれたのに驚き、しばし見入った。
おさるの集団がぞろぞろと森の中に移動をし始めるまで、我々は優雅この上ないおさるさんとの意外な出会いを楽しみ、小さな旅を終えY氏のお宅に移動した。
私以外は Y氏のお宅に伺うのは初めての3人は、Y氏の家周辺の山里の景観にしばし感嘆の声をあげたのち家の中に。
みんな相当におなかがすいていたはずだが、前もって温められていたこたつのある部屋に集まりリア王の一幕だけ、5人で輪読し今年最後のレッスンを終え、午後一時食堂へ移動した。
目に飛び込んできたのは、すべてのお鍋の具材が整然と器に盛られ、並べられそこにあったことである。準備万端あとは火をを入れるだけ、Y氏の心づくし牡丹鍋のおもてなしには、最敬礼するほかなかった。
お鍋の具材は氏のひろい敷地の菜園場で調達された野菜がほとんどで 、サラダ、お漬物、まったく旨いというほか言葉がなかった。心も体もぽかぽか、芯から体がゆるみ、Y氏のゆきわたる細やかな配慮に、ただただ私は甘え、牡丹鍋の昼食宴会を堪能した。お酒もほどほどにいただき、全員和気藹々、最高の気分で昼食を終えた。
おなかがいっぱいになった後は、Y氏と私はお燗したお酒を持参、レッスンをしたこたつのある部屋に移動し歓談タイム。街の居酒屋などでは決して味わえない、穏やかで真摯な語り合いができた。
リア王の来年の発表会についても、塾生の忌憚のない意見を聞くことができたし、何よりもリアを読む覚悟ができた。こたつでの会話はいやでも家族的な雰囲気になる。みんなの弾む会話を、Y氏が満面の笑みで聞き入りつつ、氏の好きなクラッシックの曲が空間を包む。最後Y氏がおいしいコーヒー(とお菓子)を入れてくださり、焼き芋まで。
まさに至れり尽くせり(おまけに余った野菜までお土産に頂いた)愉しい時間は瞬く間に過ぎ、気が付くと4時を回っていた。お開きの時間、山の端に冬の陽が沈みゆく4時40分ごろタクシーがやってきた。
ただ一人、黄昏時Y氏が一人たたずみ、我々を手を振って見送ってくださった。このような貴重な機会を設けてくださった、氏の心広き優しさに感謝し 五十鈴川だよりに記しておきたい。
【本日はとり急ぎ文章だけアップしますが、A子さんが送ってくれた良き写真は後日、たくさんアップします、ご容赦を】
0 件のコメント:
コメントを投稿