冬を断ち切るかのような雨が降り続いた翌日の朝、3月10日は母の命日、風が強いものの青空が広がっています。東京大空襲があった日でもあります。お線香を立て静かにパソコンに向かっています。
毎年この季節は、身近な亡き人たちの命日がやってきますし、私を含めた家人たちの生誕もやってきます。生者と死者が意識的に交歓をかわす冬の季節を終えると漸くにして春が我が家にも到来する。
そんな気が個人的にいつもしています。風は冷たくても、そこかしこに春を感じつつ、初老のわが体にも春の息吹が伝わってきます。
万物に等しく春はやってくる。陽が長くなると、何やらわが体にも陽が灯るような気がするから不思議です。
さて、そうこうしながら時は流れ、4月4日のシェイクスピア遊声塾の発表会があと3週間とちょっとに近づいてきました。
先週から近しい方々に案内を送っています。手書きで一言 書いての封書作業なので、何かと毎度のことですが時間がかかります。でも私は以前よりははるかに少なくなった(80通くらい)その作業を楽しんでいます。
墨をすり筆で宛名を書く、そのことが楽しめています。万年筆も私大好きなのです。ドレスデンで手に入れた、記念の一品で文字を滑らせることの幸せをささやかに感じています。
穏やかな晩年時間がようやく訪れたのだと、文字を書きながら 嬉しさが体に満ちます。一日を自由自在に、過ごせるなんて考えてみると幸福なことなのであると気づかされます。子供の時以来です。
それもこれも、気づける健康な体があればこそなのだと、わが体に感謝します。 身体あっての声、体に充実感が響かなければ、シェイクスピアのセリフは死んだも同然のようになってしまいます。
残すところあと何回メンバー揃って声が出せるかといささか不安も覚えますが、無料なのでそんなに気にせず、普段の練習風の延長、このようなことを遊声塾はやっているのだということを知ってもらえたらと思います。
定員は35名です。すでに5名の方の申し込みがあります。どうかいらしてください、とお願いをして今朝はこれにて。
亡き母の、面影浮かぶ、春の雨。
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