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2014-10-01

サンナンで働き始めて一年が経ちました。

すっかり日が短くなり、朝と昼の寒暖の差がかなり激しく感じられる。未だ昼の畑はかなりの暑さを感じるのだが、朝夕はこれ以上望めないほどに私には快適な季節である。

灯火親しむ最高の季節が、訪れている。ところで今日は10月1日、私がサンナンで働き始めた日である。だから今日は、朝早く起きて、何かしら綴らずにはいられない。

夢が原退職後2年7カ月。瞬く間に過ぎたというところだが、いよいよ還暦を過ぎてからが何かしら本当にいろいろと味わい深く、ささやかな幸福感に満たされながら、日々を生きられる充実感が展開されていることに、嬉しさを禁じ得ない。

とくにこの一年は、公私ともに忘れられない一年になることは間違いない。話は唐突だが、私の父は80過ぎまで生きたが、よもやもし先のことは全くわからないにもせよ。もし父と同じくらいの時間が、私に与えられていると仮定すると、これから20年近い時間を生きることになる。

40歳の時には、20年後のことは考えもしなかったが、今の私は考える余裕のようなものが、心のどこかに芽生え始めている。娘の結婚式でもいろんなことが、私の脳裏をよぎった。

まさに生きているということは、オーバーだが一瞬一瞬のつながり、一日一日の積み重ね、そのことの重みを、ようやくにして恥ずかしながら、私は実感し始めている。だから自分で書くのも気恥ずかしいのだが、この一年の充実感は、再びオ―バーだが、人生で初めて経験する色合いのものなのである。

のうのうとこんなことを、我がブログで書ける脳天気さも、きっと面の皮が厚くなってきたからだろう。ところで、サンナンの農の仕事を初めてわずか一年だが、なにかが緩やかに私の中で変わり始めている。

農の仕事は、とてつもなく自分の思い通りにはならない。自然の声に耳を澄ます、謙虚な気遣いがないと、如実に結果が畑に現れてくる。それは恐ろしいほどにである。

たかだかたった一年でしかないが、農の仕事に出会ったことは幸運という以外ない。先のことはあらためてわからないのではあるけれど、ともあれ現時点で、畑で働きながら、今をささやかに面白おかしく、生きられることに感謝する。

畑で、日々土と触れながら、身体を動かしながら、老いてゆきながら、時折別次元でシェイクスピアを声にだしながら、読み書きしながら、我が精神の変化を見つめて行ければと、思う。




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