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2023-10-27

静かに生活し暮らす、沈黙の秋。

 前回打ってから随分と打っていない。イスラエルとパレスチナの間での戦争(もはや紛争ではない)ウクライナで続く戦争が、遠い島国の一庶民老人の気持ちを萎えさせている。そのような世界の痛み、出来事に無関心であるのは、なぜだかの理由はおくとしても、忸怩たるおもいが、どうにも能天気に気軽に五十鈴川だよりを打つ気にならないのである。だからこれ以上はその事に関しては沈黙する。

私にとっての今の時代、鬱ぎの虫におちいりがちな生活のなかで、いちばんの精神の免疫力をキープできる安寧の支えは好きな肉体労働アルバイトと、真夏は控えていたが10月から再開した、シェイクスピア作品の長い台詞の書写である。すでに16作品の書写を終えたところである。この調子で継続すれば、健康が持続すれば、来年中にはほぼ終えられそうな目算がたってきた。(困難な時代、まさにシェイクスピア作品の数々は私の羅針盤である)

書写には音読とはまたまったく違う興趣があることが、続けてみてわかってきた。(ひっかく)何事も好きでないと持続は難しいが、松岡和子先生の丁寧な注釈を読みながら新しい翻訳日本語で、新たな気持ちで書写する。シェイクスピア作品だからこそ続けられる。(運命的な困難状況と格闘するオセロー、ハムレットの台詞は何度読んでも素晴らしい、随所に新しい挑戦がある。。この作品に巡り会えただけでも生まれてきてよかった。絶望に立ち向かえる)

この10月中旬から、余っていたノートの隙間を、シェイクスピア作品をより深く味わい学ぶため心機一転、松岡先生の翻訳の文庫本の注釈を書写する勉強も始めた。一番始めに注釈を書写したのは、やはりハムレットである。以後ロミオとジュリエット、オセロー、ベニスの商人の注釈書写を終え、今、ウインザーの陽気な女房たちの注釈書写の一幕を終えたところである。

肉体労働と、土いじりと、シェイクスピア作品の長台詞と注釈書写と、散歩が今のところの私の日常生活の4本柱である。もちろん他にもいろんな雑事をこなしながらの日々なので、一日が瞬く間に過ぎてゆく。平凡この上なく我が人生で初めてといっていいほどの静かな暮らしである。

素晴らしい日本語翻訳で読める幸せ

執着しない。手放すということを知らず知らず進めているかのような案配。身軽になりたいと思う。古希を過ぎあらゆる関係性の見直しを進めている。そのような日々を生きていると、手放せないものの大事、小事が感じられる、見えてきたように思う。

以前も打ったような記憶があるし、きっとこれからも金太郎飴のように似たようなことを打ち続ける老人一人呟き五十鈴川だよりになるのだろう。今はもうこの世に存在しない方たちのことを追慕し、思い出に生き死者のエネルギーにあやかり、今を大切に生きたいと私は考えている。

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