昨日稲城に住む長女のマンションに午後2時過ぎに着き、荷物を下ろし、その足で新宿経由高田馬場に向かい、そこから早稲田大学まで歩き午後4時、演劇博物館について、松岡和子先生の展示室で、ほぼ一時間ゆっくりとすごし、シェークスピア37本の完全翻訳の軌跡に見いった。
古稀にして初めて早稲田大学の演劇博物館に足を運んだ。きてよかったとの思いに全身に満ちた。たぶんきっとこれから先、上京する度に足を運ぶ頻度が増えそうな気がするほどに、演劇博物館は、情趣風情があり私の心をとらえ、分けても松岡和子先生とのご縁、はたまたささやかではあれ、私のなかでのシェークスピア作品とのご縁があればこそ、この場所にやってこれたのだと想うと、オーバーではなく万感胸に迫った。
エリザベス朝の建物を模している |
さて、午後6時半から大学の別の場所、小野記念講堂で松岡和子先生の偉業を称えるシェークスピア作品を3人の男女の俳優によるリーディングと、松岡先生をゲストに招いてのトークが行われたのだが、これが又素晴らしかった。
よもやまさか、このような坪内逍遙記念館主催イベントを体感することが叶うなどとは、夢にも思わなかった。長くなるから簡略に打つが、【今を生きるシェイクスピア 第7世代実験室 in演博】という松岡先生のシェークスピア完全翻訳、特別関連イベントを、いきなり観劇できるという幸運に遭遇したのだ。
なまでシェークスピア作品の音読を、現役の舞台俳優が眼前でいろんなシェークスピア作品のの一部を松岡先生の訳で音読するのだが、このような試みを見ることは初体験だったし、全部ではなくとも、省略し部分音読だけでも、音読者に力があれば十分に可能だということが、理解できたという意味で、私にとっては得難い、学べた体験をさせていただいた。
実は、この催しすでに予約でいっぱいだったのだが、松岡和子先生の関係者ということで(一度しか言葉を交わしていないのに)岡山から駆けつけた私を、招いてくださったのである。先生の翻訳台本を、私の娘たちくらいの世代の方たちが、リーディングされたのだが、楽しそうに(深刻なシーンでも)音読された。
松岡先生の翻訳にに対する畏敬の念が随所に感じられ、わたしは豊かな深い関係性、信頼性に裏打ちされた清々しいリーディングに、気持ちが洗われた。来てよかったと、改めての思いにわたしは満たされた。そして、改めて年齢のことは暫し忘れて、自分も又新しい気持ちで、松岡和子先生の翻訳でもう一度、シェークスピア作品の音読を持続したいという思いがわいてきている。
最後に、第7世代実験室という演劇集団は、オンライン、YouTubeでもシェイクスピアのヘンリー6世3部作を配信しているという。まさにシェイクスピアは今を生きるデジタル世代にも魅力的なのだ。新しい世代が、シェイクスピア作品に新しい表現スタイルで挑んでいる。
その事がとてもわたしは嬉しかったし、これからの老いの花時間を求めたい私としては、多大なる刺激をいただいた。その事を今日の五十鈴川だよりにきちんと打っておきたい。
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