ページ

2019-10-21

あの若き多人種日本代表が示した姿に、初老男は胸がざわつき、そして想う。

ラグビーワールドカップの日本代表の渾身の戦いが終わった。南アフリカ代表との一戦を妻と二人で、静かに見守った。ベスト8での戦いも含め、すべてをテレビ観戦でリアルタイム見ることができたことの喜び、感謝をきちんと五十鈴川だよりに書いておきたい。

こんなにテレビ画面に吸い付けられてテレビを見たのは、いったいいつ以来のことかと思うほどに、初老男は選手一人一人の表情に魅せられてしまった。あらゆることを犠牲にしてまで、誇りをもって競技で堂々と戦う姿に、理屈ではいいしれぬ魂の輝き、熱さというものを日本代表の面々は身を挺して範を示してくれた。そしてそのことに理屈抜き感動した。

私の受けた感動は、つたなき言葉では到底伝えられるものではないのを承知であれ、何かを綴らずにはいられない。国籍や人種を超えて、万人の心に届くさわやかというしかない感動はどこから来るのであろうか。ヒトはなぜ感動するのか。

かなりの異国育ちの選手たちが、日本代表として、誇り高く共存して戦う姿に鮮やかに集約された形で、日本のこれからの進むべき未来の進路が示されているのでは、とさえ私には思えた。
10月7日和田誠さんが亡くになった、こころからご冥福を祈る。

私が小さいころ男の顔は、履歴書といわれ、私などは典型的な戦後の軽チャー育ちで、父からチャラチャラするなと叱られたものである。

ラグビーワールドカップで小さいころに見た古き良き日本男児の不敵な笑わない面構えなるものを本当に久方ぶりに、日本代表の選手の中見たし感じたのは、私だけではなかろう。

私を含めた、多くの日本人が忘れていた日本人としての、魂の輝き、団結力、犠牲をいとわぬ、無言の実践力、身体が放つその半端ではない努力の姿に、オーラに撃たれたのである。

ラグビー日本代表が無言の態度で示した、時代の閉塞感をぶち破るほどの快進撃、いったい誰が予想しえたであろうか。だからこそ、日本国中がビックリ仰天、感動したのである。

ともあれ、初老男はラグビーのにわかではあれ、ファンになったことを宣言する。血を流してまで肉体と肉体が火花を放つ、厳しくも美しいスポーツに挑む男たちに魅せられた。あの若き桜の戦士たちから、爪の垢でも学びたいと思う初老男である。





1 件のコメント:

  1. 和田誠氏のイラストは、シンプルでしかもよく似ているのが特徴です。少ない線に削ぎ落としているがゆえに、鋭い描写だと思います。とても好きなイラストレーターでもありました。
    氏の映画の本も買ったことがあります。864本の映画の感想などを書いた本です。

    映画の最初の台詞がこの「お楽しみはこれからだ!」が初めて映像から流れた歴史的な台詞です。

    久しぶりにこの言葉を思い出させていただきました。ありがとうございます。

    返信削除